ヘリコプター機動部隊の紹介2009/05/10更新
東京を空から守るヘリコプターは6機います(当時:2006/04からは後述の七機)。
東京消防庁では、昭和41年に航空隊を設置し、翌年から離島地域を中心とした
救急活動を行っています。具体的には離島地域の病院では処置不能の重傷者を
都内の高度医療機関に転院搬送しています。(2001年3月までは夜間については
自衛隊が担当していましたが、同年4月より東京消防庁のヘリコプター機動部隊が
担当しています)
平常時のヘリコプターの活動は上空からの警戒活動、広報写真撮影、
操縦士教育訓練です。火災時にはヘリコプターに積載してあるテレビカメラにより
上空から情報収集をしています。映像は警防本部へマイクロ回線により送られる他、
現場指揮本部に設置された可搬式ヘリテレ画像受像装置により見ることもでき、
消防活動上の重要な支援情報となっています。
また、平成元年江東区南砂で発生した高層建物火災を教訓に、ヘリコプターによる
空中消火装置について研究開発がされ、平成8年には1200リットルの水槽と
機体につけた放水ブームから放水を行う世界初の高層建物用消火ヘリ(ゆりかもめ)が完成した。
その後、平成10年4月より実戦に必要な各種訓練が終了し実戦配備されました。
航空隊の災害活動の半数が救急活動です。大半が伊豆七島からのものであります
。また、最近は奥多摩・青梅・八王子など山岳地帯で発生した
急病人、、ハイキング等登山中の転落等による受傷や交通事故による負傷者を
ヘリコプターにより搬送する救急活動が増加しています(平成10年度59件)。
これは地上の部隊だけで活動した場合、病院収容までに時間がかかるためです。
更に、傷病者の救命率を高めるためヘリコプターに同乗した救急救命士
により救急活動が行われ、重篤な患者は都内医療機関に6カ所設置された
ヘリポートに直接収容する場合が増えています(平成10年度は港区の
都立広尾病院に37回、武蔵野日赤病院は0回、立川市の国立災害医療センター
には34回でした)。
はしご車の届かない高層建物火災での屋上からの救助活動のため、
建物建設時に行政指導によりヘリコプター用スペースの設置促進を図っています。
11年1月現在、「ヘリコプターが着陸して救助できる屋外緊急離着陸場(H)」が
33ヶ所、「ヘリコプターがホバリングにより救助できる緊急救助用スペース(R)」
が169ヶ所設置されています。
消防研修65号<航空消防>より一部抜粋
○消防ヘリコプターリスト
下記のリストは最新にはなっていません。
2014年現在、消防ヘリ7「こうのとり」が追加されたほか、新しい機体に更新されている部隊もあります。
◎現役
部隊 | | 愛称 | 機体番号 | 機体形式 | タイプ | 特別装備など |
---|
第一 | | ちどり | JA119A | AS365N2 | 中型 | ファイヤーアタッカー |
第二 | | ひばり | JA119B | AS332L1 | 大型 | AIR AMBULANCE |
第三 | | かもめ | JA119E | AS365N3 | 中型 | 2009/04就航 |
第四 | | ゆりかもめ | JA119Y | EC225LP | 大型 | 2008/04就航、2008/10運航開始 |
第五 | | つばめ | JA9980 | SA365N1 | 中型 | 救急ヘリ? |
第六 | | はくちょう | JA6720 | AS332L1 | 大型 | 救急ヘリ? |
第七 | | おおたか | JA01FD | | 大型 | 総務省消防庁からの運行委託 |
◎退役
部隊 | | 愛称 | 機体番号 | 機体形式 | タイプ | 特別装備など |
---|
第四 | | ゆりかもめ | JA9676 | AS332L1 | 大型 | 2008/08末で退役 |
第三 | | かもめ | JA9692 | SA365N1 | 中型 | |
昭和六十年に運航を開始いたしました「ひばり号」が、飛行時間四千七百時間を超え、年数も十五年を経過し老朽化が著しいこと、また、夜間運航や山岳地域における救助、救急活動、島しょ地域からの救急患者搬送、さらには消火活動能力などを向上させるよう更新するものでございます。
去る五月十六日、東京消防庁におきまして一般競争入札を行いました結果、フランス共和国ユーロコプター社製アエロスパシアル式AS三三二L一型ヘリコプターを更新機として決定したものであります。
この機体の性能、諸元につきましては、座席数二十三席、最大速度毎時二百七十八キロメートル、全装備重量八千六百キログラムなどでございます。
また、買い入れ予定価格につきましては十三億八千六百万円であり、機体本体のほか、計器飛行に必要な標準装備品、医療機器の搭載が可能な高規格担架装置、空中からの消火活動に使用する胴体下部取りつけ式消火装置等の特別装備品などが含まれております。
平成12年6月27日 警察・消防委員会の記録 より
2006/04より総務省消防庁より運行委託を受け第七ヘリコプター隊が運用開始
「ゆりかもめ」です。放水装置が付けられています。
アップの写真は下の方の「その他のヘリコプターの写真」をクリックしてください。
〔1997年出初め式〕
「ゆりかもめ」が空中から横方向に放水中
〔1997年出初め式〕
コックピットの写真です。
〔1998年国際消防防災展〕
ちどりです。「ファイヤーアタッカー」と呼ばれるヘリコプターからの消火ができる装置が付いています。
〔98年出初め式〕
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